2014年3月28日金曜日

心のリハビリ

私達心に痛手を負った人はどうしても社会から離れてしまうことが多いと思う。
それは心に痛手を負った人は他の人達とは違う状態に置かれてしまうことが往々にしてあるということにほかならない。
そして、それが回復段階に来ると社会への復帰という問題に直面する。
実はここに落とし穴があると私は思っている。

社会に戻ろうとするとき、1日も早くその状態になりたと焦ってしまう。
また、周囲からも強くそれを求められてしまう。
その通りにしてしまうと破綻してしまうと私は思うのだ。

以前、自殺未遂をして約1年ほど休職をしていた時期が私にはある。
しかし、この時の休職は、もっぱら怪我の回復のために使われ、メンタル面のフォローは全くしてなかった。
そのために私の心の病は治ることもなく、それは置き去りにされてしまった。
そして今回の休職に至ってしまったのだ。

今回の休職はメンタル面でのものであるため、きちんとしたフォローをしようと思った。
まず、全く動けなかったところから、少しずつ外にでるようにしていった。
そして体力づくりのために少しずつ外にいる時間を長くしていった。
この間、約1年ほどの時間を必要とした。
それから復職プログラムに7ヶ月ほど参加して復職に至った。
今のところメンタル面は安定している。

この間の私を他の人が見ると、きっとサボっているように見えただろう。
けれども、これは私にとっての訓練であり、リハビリテーションなのだ。
体の面でのリハビリテーションでも、いきなり元の状態へと復帰させるようなことはしない。
徐々に機能を失ったところを動かし、少しずつ回復していくようにしていくのだ。

けれども、他の人にはこの「リハビリテーション」という過程は理解できないだろう。
それは、外見上何の問題もないように見えるからだ。
そのために、焦りというものを感じてしまうのかもしれない。
けれども、この焦りが心に痛手を負った人には良くなのだ。

メンタル面は急激に治っていくものではないと私は思っている。
内にこもっている状態から徐々に外に向かっていかないと破綻をきたしてしまい、また元に戻ってしまう。
そういうことを何度も繰り返していると、結局その闇から抜け出すことは出来ない。

メンタル面のフォローというものはそういうことをクリアしていくものではないか?
私はそう思う。
始めは近所へ外出するといった程度ていいだろう。
その次に図書館などを利用する。
そして最後にデイケアやフリースクール、復職プログラムなどに参加して人と接することに慣れていく。
そんな過程が必要なのだと思う。

社会に復帰するとどうしてもストレスに曝されることになる。
心に痛手を追うということは、既に大きなストレスに晒された結果であって、それをリセットしない限り社会に復帰することは難しいと思う。
だから十分な時間としっかりとした手順に従って社会という外の世界に向かって行くことが大事なのだと思う。

しかし、周囲がどのように焦らせる言葉を言っても、根気よく納得させるしかないのがないのが現実なのだ。
力のないものが、力のないままに周囲の力のあるものを説得していかなければならない。
そんな現実は悲しいものだと私は思う。

けれども、それをしなければ私達に「明日」はない。
救いの手はただ待っていても訪れてはくれない。
這ってでも自分から近づいていかないとならないのが悲しい現実なのだ。

だから体のリハビリのように、失った力を取り戻す過程がとても重要なのだと思う。
心のリハビリが理解され、心の病や痛手というものが理解されていくことを私は常に思っている。

0 件のコメント: